A touch probe. タッチプローブを用いた精度キャリブレーション
最近になって,マシニングセンタの主軸に装着可能で,高精度なタッチプローブが商品化されています.このようなタッチプローブは通常,加工物の形状の機上計測を行うために用いられます.
 
 
しかし,逆に測定対象の形状が既知であれば,工作機械自体の運動誤差のキャリブレーションが行えます.これが本研究の基本的な考え方です.
 
この研究では特に,5軸加工機の旋回軸の運動誤差の測定と,その誤差原因の診断アルゴリズムを考えました.旋回軸の「芯ずれ」や,直進軸と旋回軸の直角度などの基本的な誤差パラメータ(幾何誤差)の診断から始め,旋回軸の位置と姿勢の誤差が,回転に伴ってどのように変化していくか,すなわち旋回軸の「誤差マップ」の構築を目指しています.(2010年3月)
 
>> 関連論文: JE29, CJ71, JE28, JE24, CE45, CJ51
 
 
 
Probing setup.
 
図1: 5軸加工機のテーブル上にワークを固定し,それを様々な割り出し角度で,プローブ測定します.指令位置との差から,機械の運動誤差を抽出します.
 
 
 
Probing setup.
 
図2: このときの実験では,テーブル上に複数のワークを設置しました.様々な割り出し角度で,全てのワークのプローブ測定を行います.複数のワークを使うのは,テーブルの角度を検知しやすくするためです.このような測定によって,旋回軸の「誤差マップ」を構築するのが目的です.