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    しかし,一般的なリニアエンコーダと同様,交差格子スケールにおいても主に蒸着時の格子の配列誤差によって,決して無視できない測定誤差が存在する可能性があります.一般的なリニアエンコーダの場合,基準となる測定器との比較によって,測定誤差をキャリブレーションする「値付け」が行われますが,交差格子スケールの2次元測定精度をキャリブレーションする基準はほとんどなく,「値付け」を行うことは不可能であるのが現状です.     本研究では,高精度な測定基準を用いることなく,交差格子スケールのみを用いて,その測定誤差を自己較正(セルフキャリブレーション)する方法を考えました.「反転法」「2点法」といった良く知られた1次元の自己較正法を,フーリエ変換を利用して2次元に拡張する方法を取っています.   >> 関連論文: JJ10, CJ31, CJ27       図1: 交差格子スケールでの測定の様子です.ここでは,ハイデンハイン社製交差格子スケール(KGM)を使用しています.     図2: 交差格子スケールを用いてマシニングセンタの真直度を測定した一例です(図1の機械ではありません).Y位置を5mmずつ変え,X方向に140mm動かしたときのY方向誤差を拡大して表示しています.このように,交差格子スケールを用いれば,XY領域全体で誤差マップを評価することが比較的容易にできます.しかし,測定結果には交差格子スケール自身の測定誤差が含まれます.Y位置が変わると真直度がかなり変わっているように見えるのは,機械自体の誤差でしょうか? それとも交差格子スケールの測定誤差でしょうか?       | |||||